FITの名義変更に向けて書類を集めていると、認定情報と印鑑証明書で住所が違う、契約書には以前の姓が記載されている、といったことがあります。
その場合は、誰について、どの情報が、いつから違っているのかを整理するところから始めましょう。違いの理由によって、確認する資料や必要な手続きが変わります。
この記事は、FITの買取期間中に、中古住宅の売買に伴って太陽光発電設備・発電事業を引き継ぐ場合を中心に、申請前の確認方法を説明します。
1.売主と買主を分けて、同じ人の情報を照合します
売主の認定通知書と買主の住民票では、氏名が違っていて当然です。確認したいのは、同じ人について記載された情報が、書類や登録情報の間でどうつながるかです。
| 確認する人 | 見比べるものの例 |
|---|---|
| 売主 | 現在の認定情報、譲渡に関する書類、売主の公的証明書 |
| 買主 | 譲渡に関する書類、買主の公的証明書、申請予定の情報 |
手元の認定通知書が古い場合は、発行後に変更されていることもあります。書類の発行日と現在の登録内容を分けて確認しましょう。
2.住所の違いは、引越しや記載箇所を確認します
まず、事業者本人の住所と、発電設備の設置場所を取り違えていないか確認します。売主が転居しても、太陽光発電設備の設置場所まで変わったことにはなりません。
同じ人の住所に違いがある場合は、引越しの時期、契約書を作成した日、証明書の発行日などを整理します。地番と住居表示、建物名の有無など、表記の違いが関係していることもあります。
JPEA代行申請センターは、事業者の変更を伴わない申請・届出で、認定を受けた事業計画と印鑑証明書の住所が一致しない場合、先に事後変更届出で事業者住所を変更するよう案内しています。
ただし、この案内を売買による事業者変更の全案件に一律に当てはめることはできません。売主・買主のどちらの情報か、今回どの変更をするのかを整理して、必要な届出や順番を確認します。
3.氏名の違いは、理由を確認して対応します
結婚などによる姓の変更、入力時の誤り、別の人の書類の混在などでは、確認する内容が異なります。「名前が違うから同じ手続きが必要」とは判断せず、理由を申請担当者へ伝えてください。
公式マニュアルでは、婚姻・離婚などによる戸籍上の姓の変更について、認定上の事業者名の変更は原則不要とし、変更を希望する場合は事後変更届出を行うと説明しています。これは、売買で事業者そのものが別人へ変わる場合とは区別が必要です。
申請時にどの氏名を用い、同一人であることをどの資料で確認するかは、現在の認定情報と今回の変更内容に合わせて確認しましょう。
4.書き換える前に、資料と手続きの要否を確認しましょう
書類をそろえるために、契約書や証明書の記載を自己判断で書き換えることは避けます。訂正が必要なのか、変更の経緯を確認する資料が必要なのか、別の申請・届出が必要なのかを先に整理します。
- 違いがある書類と、その記載箇所
- 現在の正しい情報
- 変更があった時期と理由
- すでに行った変更手続きと、その完了資料
電子申請の入力内容も、添付する資料との対応を確認します。誤りに気づいたときは、申請前か申請後かも伝えると、その段階に合った対応を確認できます。
5.証明書の取得時期も申請予定に合わせます
氏名・住所の確認が終わる前に証明書をまとめて取得すると、必要な種類が違っていたり、申請までに取り直しになったりすることがあります。
公式マニュアルでは、公的機関が発行する書類は、原則として申請・届出日の3か月前からその日までに発行されたものを求めています。今回必要な書類と申請の見通しを確認してから取得しましょう。
今後の引越しなどが決まっている場合も、先に担当者へ伝えておくと、取得する時期と記載内容を合わせて確認できます。
氏名・住所の違いが気になる方へ
たかえす行政書士事務所では、FITの事業者変更に必要な書類の確認や整理をサポートします。
ご相談の際は、「売主の認定情報が旧住所」「買主の契約書が旧姓」など、どなたの情報に違いがあるかを分かる範囲でお知らせください。お手元の資料をもとに、必要な確認と手続きを整理します。
申請書類の作成を依頼する際の注意点
FITの申請書類の作成を有償で依頼する場合は、行政書士・行政書士法人や弁護士など、法令上その業務を行える者に依頼しましょう。
資格・権限のない者が、他人の依頼を受け、報酬を得て業として申請書類を作成することは、行政書士法第19条に違反します。電子申請データの作成も含まれます。
「申請代行料は無料」とされていても、実質的に工事代金やコンサルティング料などに書類作成の対価が含まれていれば、報酬の名目だけで判断されるものではありません。
参考:資源エネルギー庁「その他の手続」/e-Gov法令検索「行政書士法」
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参考資料
- 再生可能エネルギー電子申請「操作マニュアルのダウンロード」(変更認定申請・第68版、添付書類、事業者の氏名・住所に関する項目)
- JPEA代行申請センター「事業計画変更の申請の流れ」
- JPEA代行申請センター「よくある間違い」
2026年10月11日時点で確認した公表資料をもとに作成しています。必要な資料と手続きは、設備の認定状態、変更する人・項目、申請状況によって異なります。












