育成就労の基礎知識 05
内容確認日 2026年10月17日
- 就労開始前の要件と育成中の目標を区別する
- 講習先・費用・時間帯を受入れ前から調整する
- 職場の声かけと制度上必要な講習を分けて考える
この記事の目次
仕事をしながら自然に日本語が上達することを期待するだけでは、学習の時間を確保できないことがあります。育成就労では日本語能力も育成の目標となるため、企業は講習や受講環境を含めて準備します。現場での指導と、制度上求められる日本語教育を組み合わせて考えましょう。
1 就労開始前と育成中の目標を分ける
就労開始前には、一般にA1相当以上の日本語試験への合格、又はそれに相当する講習の受講が求められます。A1相当試験に合格していない場合の講習は、原則として認定日本語教育機関の就労課程等で100時間以上受講する仕組みです。分野による上乗せ条件も確認します。[1][2]
育成期間中は、原則として100時間以上のA2目標講習を受ける機会を提供する必要があります。所定の試験への合格や既に履修した講習により免除等となる場合もあります。開始前のA1講習を受ければ、3年間の学習準備がすべて終わるわけではありません。[3]
2 利用する教育機関と受講条件を確認する
入管庁は、日本語教育機関の講習提供状況を公表しています。掲載情報は調査・公表時点の状況なので、受入れ時期に利用できる講習、対応する水準、受講料、空き状況を教育機関へ直接確認します。職場の近くに教室があるかだけでなく、通学や通信の環境も検討しましょう。[4]
オンライン講習にも、同時かつ双方向で受講できることなどの条件があります。また、当分の間の登録日本語教員による講習等には要件があるため、「オンライン動画を見せるだけ」「社内の日本語が得意な人が教えるだけ」で代替できると判断しないようにします。[3]
3 費用と勤務との調整を先に考える
受入れ企業等には、費用負担を含めて受講のために必要な措置をとることが求められます。講習費のほか、通信機器、教材、通学、受験の予定なども、見積りや運用を確認する項目になります。[4]
A2目標講習の時間を、制度上、一律に労働時間として扱うことは義務付けられていません。ただし、労務上の扱いは会社の指示や受講の実態に応じて確認します。休日や業務終了後に詰め込む前提ではなく、勤務・休息と両立できる予定を検討しましょう。[3]
| 受講先へ確認すること | 社内で決めること |
|---|---|
| 講習の水準と制度上の要件 | 誰が申込みと受講状況を管理するか |
| 時間帯、受講方法、実施時期 | 勤務・通学・休息をどう調整するか |
| 費用、教材、必要な機器 | 予算と費用負担の分担 |
| 修了・受講状況を示す資料 | 記録の保管先と現場への共有方法 |
4 現場で使う日本語も育てる
準備の例として、安全指示、作業の確認、異常時の報告、体調の相談など、職場で必要な場面を書き出します。短い文で説明する、写真や実物で確認する、本人に内容を言い直してもらうなど、理解を確かめる方法を揃えると指導しやすくなります。
日々の声かけは大切ですが、制度に適合した講習や評価を置き換えるものではありません。講習の学びと現場で困る場面を担当者間で共有し、どこに支援が必要かを具体化しましょう。
本記事は2026年10月17日時点で確認した官公庁の公表情報に基づく一般的な解説です。分野、業務内容、本人・企業の状況により条件が異なります。申請・採用時には最新の法令、分野別運用方針・要領をご確認ください。本文中の準備例は、法定要件を置き換えるものではありません。
参考情報
- 出入国在留管理庁 育成就労制度の関係省令等について 概略図
育成の目標、入国後講習、転籍、送出費用等 - 出入国在留管理庁 育成就労制度の基本方針 分野別運用方針
2026年1月23日閣議決定の各分野の方針とその後の改正 - 出入国在留管理庁 運用要領 育成就労計画の認定等
日本語講習、育成就労実施者の措置等。最新版は運用要領掲載ページで確認 - 出入国在留管理庁 日本語教育機関の講習提供状況一覧表について
講習提供可否等は掲載時点の情報であり、受講先へ確認












