主に50kW未満・FIT買取期間中の太陽光発電設備を相続する場合を想定しています。
ご家族が亡くなり、太陽光発電付きの家を相続することになったときは、家や預貯金の手続きとあわせて、太陽光発電の認定と売電契約も確認しておきましょう。
相続によるFITの事業者変更は、原則として「事後変更届出」の対象です。中古住宅の売買による事業者変更とは区分が異なります。まずは、誰が認定を受け、誰が設備と発電事業を引き継ぐのかを整理します。
1.家の名義と、太陽光発電の名義を確認します
住宅の所有者、太陽光発電設備の所有者、FITの認定事業者、売電契約の名義人が、すべて同じとは限りません。家の資料だけで決めず、認定通知書や売電明細も探してください。
| 確認するもの | 確認する内容 |
|---|---|
| 認定情報 | 設備ID、認定事業者、設置場所、出力 |
| 買取期間 | FIT期間中か、すでに満了しているか |
| 引き継ぐ人 | 設備と発電事業を承継する人が決まっているか |
| 売電契約 | 契約先、名義、振込先、直近の入金状況 |
例えば、家は一人が相続し、設備について別の取扱いを考えている場合には、設置場所を使う権利も確認が必要です。住む人と、認定上の事業者になる人を同じものとして扱わないようにしましょう。
2.相続の資料には、太陽光発電設備も含めて確認
JPEAの相続の案内では、相続対象に太陽光発電設備が含まれると確認できる記載が求められています。遺産分割協議書などに建物の記載があるからといって、それだけでFIT手続きに必要な確認ができるとは限りません。
これはFIT手続きでの資料確認のポイントです。太陽光発電設備や発電事業を誰が承継するかが分かるか、作成済みの資料を確認します。記載が不足している場合の対応は、元の合意や遺言の内容を踏まえて整理してください。
遺産の分け方が決まっていない段階では、便宜上の口座名義だけで承継者を決めるのではなく、相続関係と引継ぎ内容を先に確認することが大切です。
3.必要書類は、相続の事情に合わせて確認します
公式案内では、被相続人や相続人の関係を確認する資料、相続人の印鑑証明書、遺産分割協議書または同意書、設置場所の権利を示す資料などが示されています。法定相続情報で代用できる資料の案内もあります。
ただし、公正証書遺言がある、相続放棄した人がいる、相続人に未成年者がいるなどの事情で確認内容は変わります。一般的な一覧だけで判断せず、その事情を伝えて、適用される必要書類を確認しましょう。
公的書類の発行時期には条件や例外があります。他の相続手続きで使った資料を再利用したい場合も、書類の種類と発行日を確認します。相続関係の資料を一式集める前に、すでに持っているものの一覧を作ると、追加取得の範囲を整理しやすくなります。
4.電子申請の情報と、連絡先を整えます
以前の申請担当者が分かる場合は、認定資料や過去の連絡の保管状況を確認します。IDや登録メールアドレスが不明なときは、公式の問い合わせ案内に沿って進めます。
亡くなった方の情報を使って本人になり代わって操作するのではなく、相続の事情を伝え、必要な照会や委任の方法を確認してください。届出を担当する人と、今後の通知を受け取る人も決めておくと、後の確認がしやすくなります。
届出後は、受理・反映された内容と、保管すべき資料を確認します。売買で使う変更認定通知書と同じ書類が必ず出るとは限らないため、手続き区分に合った完了の確認方法を担当者に聞いておきましょう。
5.売電契約と入金先も、別に連絡します
国への届出と、電力会社の売電契約の承継は別の対応です。契約先に相続があったことを伝え、必要書類、名義と振込先の変更方法、変更が反映される時期を確認します。
亡くなった方の口座に関する対応や、相続発生前後の売電代金の整理も必要になることがあります。直近の明細と入金記録を残し、誰のどの期間の収入か判断が必要な点は、契約先や税理士などへ確認してください。
家の登記、税務、相続人間の争いは、それぞれの専門家の対応範囲も確認します。FITの届出だけで、相続に関するすべての手続きが終わるわけではありません。
分かる資料から、相続後の手続きを整理します
たかえす行政書士事務所では、相続した太陽光発電設備について、認定情報やお手元の相続資料を確認し、FITに関する必要な届出をご案内します。認定資料が見つからない段階でも、現在の状況をお知らせください。
申請書類の作成を依頼する際の注意点
FITの申請書類の作成を有償で依頼する場合は、行政書士・行政書士法人や弁護士など、法令上その業務を行える者に依頼しましょう。
資格・権限のない者が、他人の依頼を受け、報酬を得て業として申請書類を作成することは、行政書士法第19条に違反します。電子申請データの作成も含まれます。
「申請代行料は無料」とされていても、実質的に工事代金やコンサルティング料などに書類作成の対価が含まれていれば、報酬の名目だけで判断されるものではありません。
参考:資源エネルギー庁「その他の手続」/e-Gov法令検索「行政書士法」
参考資料
- 資源エネルギー庁:FIT・FIP制度ガイドブック2026(事業計画の変更)
- JPEA代行申請センター:相続による名義変更の必要書類
- 再生可能エネルギー電子申請:ID・パスワードの照会案内
- 再生可能エネルギー電子申請:事後変更届出の操作マニュアル
2026年10月12日時点で確認できた公表資料に基づいています。必要な手続き・書類は設備の認定状態や変更内容により異なります。実際の手続きでは最新の公式案内をご確認ください。












