この記事では、追加の受注を引き受けるときに確認したい支払いと入金の順序を、仮の例で説明します。売上の金額に加え、いつまでにいくら用意する必要があるかを確認しましょう。
売上が立つ日と入金日は違う
商品を納品したりサービスを提供したりしても、その日に代金を受け取れるとは限りません。締め日と支払条件によっては、回収が翌月以降になります。一方、材料の仕入れや外注への支払いは、回収より先に必要になることがあります。[1]
受注の判断では、売上から費用を差し引いた採算と、入金前に払う資金の両方を確認します。金額だけでなく、見積書、注文書、取引条件などから日付も拾い出します。
一件の追加受注でも途中で資金が不足する
例えば40万円を使える状態で、200万円の追加受注を引き受けるとします。仕入れ120万円を10日目、外注費30万円を20日目に払い、売上代金は40日目に受け取る想定です。
以下は、この追加受注だけに着目した仮例です。通常の事業の入出金、税金、利息などは含めていません。マイナスは実際の預金残高ではなく、資金を手当てする必要がある計算上の不足です。
表は左右にスクロールできます。
| 時点 | 入金 | 支払い | 計算上の残高 |
|---|---|---|---|
| 開始時 | ― | ― | 40万円 |
| 10日目 | 0万円 | 120万円 | -80万円 |
| 20日目 | 0万円 | 30万円 | -110万円 |
| 40日目 | 200万円 | 0万円 | 90万円 |
受注の入金と仕入れ・外注費の差額は50万円ですが、入金前の20日目には110万円が不足します。入金後にお金が残ることと、途中の支払いができることを分けて確認する必要があります。
通常の支払いと重ねて不足額を確認する
実際には、追加受注の費用と同じ時期に、給料、家賃、税金、既存借入の返済なども発生します。追加案件だけの表を、会社全体の資金繰り表に反映させます。
最低限残しておきたい資金も含めて、残高が最も少なくなる日を確認しましょう。受注が毎月続く場合は、前の案件の回収と次の案件の仕入れが重なるため、一件分だけの計算では足りないことがあります。
入金の確度と取引条件を確かめる
売上見込みには、契約が決まっている受注と、商談中の案件を分けて記載します。納品後の検収が入金条件なら、検収に必要な期間も確認します。入金が遅れた場合の不足額も別に計算しておくと、必要な備えを考えやすくなります。
着手金や分割払いなどを相談する場合は、取引前に相手と条件を確認し、合意した内容を記録します。回収条件の変更が難しい場合は、支払日までの資金調達や受注の進め方を早めに検討します。
売上増の背景と資金使途を資料で説明する
資金調達の相談では、追加受注の内容、売上見込み、仕入れ・外注の金額、回収までの期間を整理します。注文書や見積書、直近の売上・入出金資料があれば、必要額の理由を説明しやすくなります。
J-Net21も、売上の伸びに伴う運転資金の増加と、経営計画・予実管理の重要性を説明しています。[2] 受注が増え始めた段階で、支払予定の更新と入金確認の担当を決めておきましょう。
受注と入出金の予定をつなげて整理する
たかえす行政書士事務所では、請求・売掛・入金管理、支払予定の整理、資金管理の基礎資料づくりを支援しています。受注は増えたものの資金の動きが分かりにくい場合は、現在の管理方法からご相談ください。
ご相談前に、支援の進め方と料金をご確認いただけます。












