資金調達に使う事業計画では、必要な金額と使い道に加え、どのように売上を得て、いつ資金を回収するかを説明します。見込みの数字を、取引件数、単価、受注状況などの根拠とつなげることが大切です。
この記事では、売上見込みを組み立てる手順と、必要資金・返済の見通しへのつなぎ方を紹介します。相談前の準備資料を扱ったC10から一歩進め、計画の数字をどう説明するかに焦点を当てます。
誰に何を売るかを具体的にする
最初に、商品・サービス、想定する顧客、提供方法、販売価格を整理します。「売上を増やす」という目標だけでは、必要な設備や人員、仕入れ量を決めにくいためです。
既存事業なら、直近の販売実績や受注状況から、伸ばす商品・顧客層を説明します。創業の場合は、これまでの経験、商談状況、販売先の見込みなど、現時点で確認できる材料を使います。確定している事実と計画上の見込みを分けて記載しましょう。
売上を単価と件数に分けて考える
例えば、月の客単価を5万円、取引を30件と想定するなら、月の売上見込みは150万円です。その30件を見込む理由として、継続顧客、問い合わせ実績、販路、販売活動などを説明します。
対応できる件数も確認します。一日2件、月20日稼働なら、計算上の対応能力は40件です。ただし、商談、準備、移動などの時間も必要なので、そのまま販売件数の見込みにはできません。価格と販売数の両方に根拠を添えます。
日本政策金融公庫の創業計画書では、必要資金と調達方法に加え、売上高や経費を計算した根拠を書く欄が設けられています。[1]
売上が少ない場合の費用も試算する
売上が下がったときは、仕入れなどの費用が減る一方で、家賃などの支払いが残ります。売上に連動する費用と、連動しにくい費用を分け、計画どおりに売れない場合も計算します。
以下は月額の仮例です。単価5万円、通常計画30件、少ない場合24件とし、売上に連動する費用は売上の30%と想定しています。税金・利息・元金返済などは含めていません。
表は左右にスクロールできます。
| 項目 | 通常計画 | 売上が少ない場合 |
|---|---|---|
| 売上 | 150 | 120 |
| 売上に連動する費用 | 45 | 36 |
| 売上に連動しない費用 | 70 | 70 |
| 売上から上記費用を引いた差額 | 35 | 14 |
差額は35万円から14万円に減ります。必要な資金を考える際は、販売件数が少ない状態が続く期間と、その間の支出を見通しに入れます。
必要資金と返済を入出金の予定につなげる
費用を差し引いた計画上の差額は、そのまま手元に残る現金とは限りません。売上の入金時期、在庫の購入、設備代金、既存借入の元金返済などによって、実際の資金の動きは変わります。
設備と運転資金の内訳を作り、自己資金を差し引いた調達額を整理します。借入を利用する場合は、返済予定と利息を資金繰り表に入れ、売上が少ない場合や入金が遅れる場合でも確認します。資金を回収する時期と、支払う時期を合わせて説明できるようにします。
計画を実績と比較して更新する
事業計画は、作成後も売上・入金・支払いの実績と照合します。販売件数や単価が想定と違う場合は、原因と次の対応を整理し、資金計画にも反映させます。経営計画と予実管理は、金融機関へ事業の状況を説明する際の基礎にもなります。[2]
相談先が指定する書式や必要資料は個別に確認します。数字を大きく見せるために希望だけを積み上げず、根拠のある見込みと未確定事項を説明できる計画に整えましょう。
事業計画に使う数字と資金使途を整理する
たかえす行政書士事務所では、資金調達計画の整理や、会計・経理資料、入出金予定の整理を支援しています。事業の内容、必要な資金、現在ある資料をお知らせいただければ、相談内容を具体的に確認します。
内容確認日 2026年10月13日
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